April 14, 2004

佐野元春「in motion 2003 - 増幅」の顛末

佐野元春のアルバム「in motion 2003 - 増幅」の仕様が二転三転。結局自主レーベルGO4からの発売に変更。

「in motion 2003 - 増幅」の発売にブレーキ (MWS 4/12)
「in motion 2003 - 増幅」GO4レーベルから自主発売 (MWS 4/13)

このアルバム、昨年鎌倉芸術館で行われたスポークン・ワーズ(ポエトリー・リーディング)・スタイルのライブを収録したもの。元々GO4 Recordsは、実験的要素の強いスポークン・ワーズのシリーズを扱うために佐野元春が自身で設立したレーベルで、in motion の2001年ライブはこちらのレーベルから出ています。今回の「in motion 2003」はまず先月、EPICからのリリースとアナウンス。スポークン・ワーズのシリーズが遂にメジャーからリリースというめでたい話だったのだ、最初は。
しかしEPICということでやはり例外なくレーベルゲートCDでのリリース決定。ファンの反対意見が届いたのか、元春自身が納得しなかったのか判らないけど、しばらくして「GO4とEPICとの共同名義でリリース、CCCD回避」という特例措置に変更。喜んでいたところが、SMEが例外を認めるのを嫌ったのか、再びCCCD仕様に差し戻したいと通達。通常CDなら1枚に収まるところを、わざわざ2枚組にしてまでCCCDにしたいと。これで佐野マネジメント側と対立し、結局GO4 Recordsから通常CDでリリースということで決着。

2002年にSMEグループがCCCDの導入を決めた際、僕がまず最初に気になったのは佐野元春の動向だったのだ。インターネットに早くから着目し、音楽産業の新しいビジョンにも理解があり、社会的メッセージをはっきりと伝える元春がCCCDをどう判断するのか。本当は本人の言葉を(賛成でも反対でもいいので)聞きたいところなのだけど、やはり元春といえどもそれは難しいのか。まあ今回こうして公式サイトに客観的な事実を掲載してくれたので、そこから察してくれというところですか。

それにしてもこの顛末、あまりにも酷い話。クラシックも洋楽も見境なくCCCDにするEMIもひどいけど、作品の意図を壊してまでCCCDを強行するSMEも相当にひどい。もはやアーティストの権利を守るというCCCD導入の本来の目的はどこかに行ってしまっているじゃないか。今までも我々の知らないところで、同じようにアーティストの意向に反してCCCDでリリースされたケースが多々あったのだろうと想像すると悲しい。今回はスポークン・ワーズのシリーズだったのでなんとか逃げ道があったものの、今後のリリースはどうなるのだろう? 今のところ、昨年出たシングルはCCCD、「Visitors 20th Anniversary Edition」は再発モノなのでCCCD回避、5月予定のシングルはオンラインショップで見たところCCCD(CCCDの件と関係あるのか判らないですが、このシングルリリースについてもEPICとの間で何かあったらしく、リリース日が変更になった)。その後も待望のオリジナルアルバムが予定されているのだけれど……。

とりあえず、インディーからのリリースとなる今回のアルバムのセールスが良い結果になることを期待したい。もちろん僕も買います。応援しています。

Posted by Galaxie586 at April 14, 2004 04:14 PM