May 06, 2004

シンポジウム感想など

4日のシンポジウムの感想など。
レコード会社、ディストリビューター、小売店側からの、輸入盤ビジネスの内部事情が、具体的な数字もちょっと教えてくれたりして興味深かったですね。
今もライセンス元にお願いして並行輸入を止めてもらうような事は、特に小さいレーベルでは良くある事というのは、安く買いたい消費者にとっては少し面白くない話かもしれませんが、まあ売る側の事情は理解できますよね(HEADZには儲かってほしいし)。とにかくそういう事は当事者間の契約で決めれば良い事で、そこに法律の規制が入るのは、とてもいびつな物を感じます。

特に心配なのは、この法律が施行され、実際に税関でどのように運用されるかを想像すると、法律では規制されないことになっている、国内盤が出ていない輸入盤にも影響が出る可能性があるということ。小さいながら個性的な品揃えの輸入盤屋が頑張ってくれているおかげで、メジャーには乗らなくとも素敵な音楽を僕等は知ることが出来ているので、彼らの仕事がやりにくくなる状況が生ずるのは非常に困ります。さらには個人輸入にまで規制がかかる可能性も無いとは言えない。「まさか。なぜそこまで悲観的に考えるのか?」と普通の人は思うかもしれないけれど、刑事罰を伴う法律が決まるということの重みを考えると、それくらいの心配は必要。施行されても何も起きないかも知れない。でも非常に悪いシナリオが進むかも知れない。一番ありそうで怖いのは、ゆっくりと消費者の気づかない速度で輸入盤市場が縮小していって、何年か経って「最近の洋楽シーンって何かつまんないよねー」なんてなっている事態かしら。やだやだ。

それとちょっと、「う~ん」と考えてしまうことは、川内議員は、「再販制度を放棄するなら、この輸入権も考慮に値する」と言っていたのだけれど、自分は「えっ? ちょっと待ってよ」と思ったわけ。もはやCDが安く買えないことが問題じゃなくて、欲しい商品が買えなくなるという事が大きな問題だから、輸入権が通ってしまう位ならば、今のまま再販制度があったほうが全然マシだと自分は思う。輸入権が施行された場合、すぐにでも行われそうで一番気がかりなのは、EU盤がCCCD、US盤がCD-DAのタイトルについて、US盤のみ規制が行われ、今までのようにAmazonでUS盤を入手することが出来なくなるんじゃないかということなんだけれども。
それで、高橋健太郎氏がMEMORY LAB 5月4日の Columnで、シンポジウム後の感想として、やや困りながら書いていることには、「文化庁やレコード協会はひょっとしたら、再販制度にはすでに見切りをつけているのかもしれない。だからこその輸入権創設ではないか。そして、二重の保護に対する批判が強まったら、切り捨てるのは再販制度であろう」との意見。ありえない話ではない。丁度CDからSACD/DVD-Audioの次世代メディアに移行が始まってきたわけで、このタイミングで再販制度を手放すのは仕方ないという考えはあっておかしくはない。そうなると「65カ国で導入されている輸入権をわが国にも」という理由はとても説得力を持つし、消費者側としても、「輸入盤なんか買わないから輸入権はどうでもいいよ、それよりも邦楽が安く買える方が嬉しい」という意見が勝ってしまうのではない? CCCDの件も、僕たちの「規格として欠陥のあるCCCDの代わりに、US盤の真っ当なCD-DAを買う権利が阻害される」という言い訳はまずお役人には通用しない。むしろ「違法コピーが可能なUS盤の輸入が規制できる」という理由の方が説得力あるものね。

再販制度とどちらを取るかと問われたら、音楽ファンの間でも意見が分かれるところなのかしら?

シンポジウムの音声・画像ファイル・要約・テキスト起こし・その他関連リンクは「テレビ見ようよ!(仮)」のこちらに強力にまとまっております

Posted by Galaxie586 at May 6, 2004 04:58 PM